3月の結果①
3月の結果です。
オプション取引は、残念ながら▲344.41ドルとなりました。
1~6の取引は、いずれも権利行使されず、消滅しました。
5は、EEMが42.95ドル(3/29)で終わりましたので、権利行使されていません。
この取引は、EEMが42.67ドルのときに開始しましたが、CSPと普通に購入していた場合を比較すると、
CSP → 0.70ドル
購入 → 0.28ドル(42.95-42.67) となります。
7は、TLTが121.80ドルの時に、123.50ドルを権利行使価格とするカバードコールを行いましたが、TLTが急騰したため、1口あたり2.43ドルでコールオプションを買戻しました。買い戻した時の、TLTは125.80ドルでこのまま放置しておくと、保有しているTLTが売却されるからです。
今回、TLTは1か月で5.36%上昇しました。ちなみに、TLT上場以来、1か月で5%以上上昇した月は、全体の7.5%なので、確率的には年に1回くらいはこのような事態が発生します。
銘柄紹介(ARCC)
ARCC(Ares Capital Corporation)
・BDCの最大手になります。BDCとは、Business Development Companiesの略で、主に未上場の中小企業に投資したり、融資したりする企業です。いわばベンチャーキャピタルのようなものでしょうか。
・高い配当利回り(9.3%)が特徴です。
・REITと同様に、要件を満たすと税制上の優遇措置を受けることができ、それが高配当の要因となっています。
・BDCに関連するETFとして、BIZD(VanEck Vectors BDC Income ETF)などがあります。ARCCはBIZDの約20%のウエイトを占めています。
・個人的には、BIZDの流動性に不安があること、オプションが使えることから、ARCCを保有しています。
・ハイリスクな銘柄です。リーマンショックのときは、$20くらいだった株価が一気に$4を切るくらいまで暴落しました。
・下のグラフで、青線・・ARCC、赤線・・SPYの比較です。SPYよりもハイリスクハイリターンとなります。
銘柄紹介(OHI)
銘柄紹介(OHI) Omega Healthcare Investor
・ヘルスケアREITの一銘柄で、高配当(約8%)が魅力です。
・もっとメジャーなREITもあるなか、あえてこの銘柄を選んだ理由は、
①リーマンショック時、他のリートと比較して、比較的下落が緩やか。
②ヘルスケア施設=オフィスや商業より景気のブレが小さい(ような気がする)
③他のリートに比べて高配当かつ低BETA
・日本でも最近、ヘルスケア施設に投資するリートが出始めているようですが、
アメリカでは、比較的メジャーな存在のようです。
少し古いですが下のリサーチでは、アメリカのエクイティREITの投資先は、1位小売、2位産 業・オフィス、3位住宅、4位ヘルスケアのようです。
https://www.smtri.jp/report_column/report/pdf/report_20130415.pdf
・下のグラフで、青線・・Orix、赤線・・SPYの比較です。長期で見るとSPYと近いリターンです。投資した時期によって評価が分かれそうです。
3月の取引③
またまた続きです。
上記5の取引です。
これは、キャッシュ・セキュアード・プット(CSP=現金確保プット)となります。
ポートフォリオの構成の中で、バイ・ホールドの分ではなく、モメンタム戦略を採用する分です。2月末で”買い”シグナルが出たので、TLTからEEMにスイッチしたのですが、EEMを購入するかわりにCSP(現金確保プット)を売りました。
具体例で説明します。
3/1時点でEEMは42.67ドルです。
EEMを42.67ドルで買う代わりに、EEMの購入代金を確保した上で、権利行使日3/29・権利行使価格42.5ドルのプットオプションを売り、0.7ドルのプレミアムを受け取ります。
そして、3/29時点で
EEM<42.5ドルの場合
プットオプションは権利行使され、EEMがどれだけ安くなっていても42.5ドルで購入する義務が発生します。但し、すでに受け取った0.7ドルがありますので、取得原価は41.8ドル(42.5-0.7)となります。利益はCSP>購入となります。
43.37ドル>EEM>42.5ドルの場合
プットオプションは消滅し、受け取ったプレミアムはそのまま収入になります。
利益はCSP>購入となります。
EEM>43.37ドルの場合
プレミアムはそのまま収入となりますが、購入した場合の利益はプレミアムを超えます。利益は購入>CSPとなります。
※現金を確保しないプット売り(ネイキッド・プット)は、大きなリスクがあります。
オプション収入に目がくらみ、過大にプットを売ると価格暴落時に破滅します。
3月の取引②
前回の続きです。
上の表の2~4・7の取引です。
いま、VT・VIG・VWOなどの世界株式ポートフォリオで約55000ドル程度、
タイミング戦略でSPYを約22000ドル程度、保有しています。
これをSPY・EFA・EEMで換算すると、SPY200株、EFA250株、EEM250株に相当しますので、これを原資産と見なして、それぞれの資産に対応するコール・オプションを売り建てます。
※なぜ、SPY・EFA・EEMで換算するのか?
VT、VIG、VWOを持っているなら、そのオプションを売ればいいのに、という疑問があると思います。
実は、これらのETFのオプションは、SPY・EFA・EEMのオプションに比べて、取引量が少なく(※VWOはそこそこ活発)、使い勝手が悪いからです。
3月の取引①
3月に権利行使日を迎えるオプション取引は以下のとおりです。
この記事を書いた時点(2019/3/16)で、3月に権利行使日を迎える取引は終わっています。手数料控除後で872.13ドルで、3月末時点で権利行使されなければ、全て収入となります。
具体的な取引ですが、
1.TLT
取引日:2/8
権利行使日:3/15
日数:35日
種類:CALLオプションの売り(カバードコール)
権利行使価格:125ドル ※2/8のTLT終値は122.35
プレミアム:0.41ドル
単位:5枚(最低単位は100株/枚)
<取引について>
・2/8の時点でTLTを約500株保有しています。
・この500株を原資産とする上記コールオプションを売り建て、そのプレミアムとして202.90ドル(0.41×500-2.10(手数料))を受け取ります。
・3/15の時点で
①TLT<125ドルの場合
オプションの価値は消滅し、2/8受け取ったプレミアムはそのまま収入となります。
②TLT>125ドルの場合
コールオプションが権利行使され、TLT500株を125ドルで売却するか、コールオプションを買い戻す必要が生じます。TLTがどんなに値上がりしても125ドル以上の利益は享受できないことになります。
<結果>
・3/15時点でTLTは121.75ドルでした。
コールオプションは価値が消滅し、当初受け取ったプレミアム202.90ドルはそのまま収入となりました。
・この取引を総括すると、
TLT:122.35(2/8) → 121.75(3/15) (▲0.6ドル)
配当:0.253(3/6)
オプション:0.41(3/15)
価格▲0.6 + 配当0.253 + オプション0.41 = 0.06ドル となります。
なお、オプション収入がない場合は、この期間の損益はマイナスとなりました。